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食後高血糖と隠れ糖尿病(2019年10月)

糖尿病は、膵臓からでる血糖値を下げる唯一のホルモンであるインスリンの作用不足により血糖が慢性的に多い状態で、血管を傷つけ網膜症や腎不全などの合併症をおこすことがあります。

食事で摂取されたブドウ糖は腸で吸収され血液中に移行するため、食事をすると一時的に血糖値が上昇します。健康な人の場合、食後2から3時間で血糖値は空腹時の値に戻っていきますが、インスリンの分泌量が少なかったり働きが十分でない耐糖能異常の状態は、血糖値が140mg/dl以上の高い値が続き、食後高血糖といいます。通常は緩やかに上昇する血糖値が食後急激に変動し、グラフにするとスパイク(くぎ)のようにとがった線を描くので、血糖値スパイクとも呼ばれています。時間がたつと正常値に戻るため気付かないまま放置してしまう危険があり、糖尿病を発症したり進行したりするため、動脈硬化を促進させ心筋梗塞や脳卒中などの大血管障害を起こすリスクが高くなります。早期発見には、ブドウ糖負荷試験検査で食後高血糖を調べると良いでしょう。また、過去1~2か月の平均血糖値を示すHbA1c(ヘモグロビンエーワンシー)値が高い場合は食後血糖値も高い可能性があるといわれています。

早食いはインスリンの働きが追いつかなくなるため、ゆっくり食事を摂りましょう。ブドウ糖の吸収を緩やかにする野菜や海藻を最初に食べると、血糖値の急激な上昇を防げます。食後30分から1時間くらいは血糖値が上がりやすいため、そのタイミングでブドウ糖を消費する運動すると効果的です。散歩や体操、階段昇降等、食後に10~15分程度、身体を動かす習慣をもつことをお勧めします。

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