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保健師コラム

ばね指(指の腱鞘炎)(2024年7月)

  手の指には、屈筋腱と靭帯性腱鞘という組織があり、屈筋腱が靭帯性腱鞘の中を行き来することで、滑らかに指を曲げたり伸ばしたりすることができます。炎症が起こり腱が腫れて厚くなったりすると、擦れて痛みを感じるようになるだけでなく、引っかかりが生じ、ばね現象が起こります。特に、親指・中指・薬指での発症率が高くなります。

 パソコンのキーボードやマウスの操作・ゴルフやテニスなどの手を使うスポーツ・強い力で包丁を取り扱う料理人の方など、日常で手や指をよく使っている人は、腱に大きな負担がかかり炎症が起こりやすくなります。また、女性ホルモンのバランスの崩れやすい妊娠中や産後、更年期の女性や、糖尿病や関節リウマチなどを患っている方は、血行不良によって腱鞘が狭窄しやすく発症のリスクが高まります。

 炎症を和らげるために安静にすることは重要ですが、固定をすると関節が拘縮する可能性があるため、熱感のある時は患部を冷やし、手指のこわばりがある時は温めることで血行が改善し痛みが和らぎます。適度な運動で柔軟性を保つことが大切なため、指を伸ばしたりしっかり握ったりするグーパー運動であるセルフストレッチを普段からおこなっておくと良いでしょう。指を伸ばすときは指の間をしっかり広げ、指が反るくらい行い、握る時は2秒程度ギュッとしっかり握ると効果的です。

 治療には、安静の他、ステロイド注射や、再発を繰り返す場合は手術療法がおこなわれることもあります。また、完治までに時間がかかる場合も多いため、指の曲げ伸ばしが滑らかでない・指のこわばり・動かしにくさ・曲がったまま伸ばせない等の症状がある場合は、早めにかかりつけ医や整形外科にご相談してください。

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