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脂肪肝は肝硬変に進行します(2023年11月)

 食事で摂った脂質や糖質は中性脂肪に変化し肝臓に蓄積されます。肝細胞の5%以上に脂肪が蓄積された状態を脂肪肝といいます。自覚症状がなく放置しがちですが、進行すると肝臓は繊維化し、肝硬変、さらには肝がんへと進行することがあります。

 予防と改善には、食べすぎや飲みすぎを控えることが基本です。特に、脂っこいものを減らすだけでなく、糖質を多く含む果物やご飯・パン・麺類などの主食の摂りすぎに気を付けてください。野菜・海藻・きのこ類などの食物繊維は糖質の吸収を穏やかにし、肝臓への負担を

減らします。緑黄色野菜は、ビタミンやミネラルの摂取にもなり、身体の調子を整える効果もあるため毎食たっぷり摂りましょう。ストレスや喫煙、紫外線などから発生する活性酸素を浴び続けると、脂肪肝の発症に影響します。カテキンは活性酸素を消去する役割があるため、緑茶を飲む習慣を持ちましょう。

 筋肉は第2の肝臓といわれていて、筋肉が増えると代謝が良くなります。軽く汗をかく程度の有酸素運動にプラスして、スクワットやももあげ・片足立ちなどの筋トレを1日5から10回とりいれる等、毎日身体を動かすことが大切です。腰や膝が痛い場合は、椅子に座って出来る上半身の運動を、無理のない範囲でおこなうよう心がけてください。

 確定診断には超音波や肝生検等の検査が必要になりますが、血液検査の肝機能値で脂肪肝の傾向はわかります。ALT(GOT)値が30u/Lを超えたらかかりつけ医に相談する目安となります。少し値が高くなった時点で生活を見直すことで、発症予防・重症化予防につながるため、年1回は必ず健診を受診して確認しましょう。

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