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胃炎・胃潰瘍(2023年1月)

 胃は、食べ物を貯蔵・消化・吸収する重要な働きを持つ大切な器官です。一般的に、空腹時に胃が痛み食事を摂ると治る場合は胃潰瘍が、食後しばらくしてシクシクと痛む場合は胃炎が疑われます。

 胃があれるとまず起こるのが急性胃炎です。例えば、アルコールをたくさん飲むと胃の粘膜を覆っている粘液がはがれ、胃酸が直接粘膜にあたることにより出血やただれ(びらん)がおこります。通常は2日ほどで治りますが、暴飲暴食や喫煙など胃を荒らす刺激が続くと慢性胃炎を起こします。さらにストレスや老化が重なると、胃液の分泌がさらに低下し粘膜が萎縮する慢性萎縮性胃炎となります。

胃潰瘍は、上腹部痛の他、悪心や嘔吐、食欲不振などの症状があらわれる場合があります。症状がひどくなると胃壁から出血し、血を吐いたり血便が出ることもあります。潰瘍を繰り返す場合は、ピロリ菌の検査も受けておくと安心です。

喫煙は胃酸の分泌を多くするだけでなく、ニコチンが粘膜の血流を悪くするため、禁煙は基本です。心身ともに過労は、血管が収縮して血液の流れを悪くし防御機能のある粘液が供給されなくなるため、睡眠不足やストレスの蓄積には気をつけましょう。

こしょうやとうがらし、ワサビなどの香辛料は控えめにし、空腹時の濃いコーヒーや炭酸飲料、消化がしにくい脂っぽい食べ物や硬い物、漬物などの塩分の強い物、ようかんやチョコレートなどの甘い物などは胃の粘膜を刺激するため避けましょう。消化を促進させるよう、よく噛んで食べることが大切です。一度に食べる食事量が多くならないようにし、潰瘍の治療にはたんぱく質が必要ですので、脂肪の少ない肉や魚、卵や豆腐などをつかった料理を毎食摂るよう心がけてください。

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