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肥満のうちに改善を(2022年10月)

身体に脂肪が蓄積し体重が増加した状態で、BMI(体重kg÷身長m÷身長m)25以上を肥満、BMI30以上を高度肥満と言います。肥満症は肥満によって健康を脅かす合併症があったり合併症のリスクが高く、治療の対象となる疾病のことです。

 皮膚のすぐ下につく皮下脂肪は、下腹部やおしり・太ももにつきやすく、体重による負担が原因で、膝や股関節、背骨などに障害を起こしやすくなります。喉の周りにつきすぎると、寝ている間に一時的に呼吸がとまる睡眠時無呼吸症候群を引き起こすこともあります。

 腹筋の内側や腸などの周りにつく内臓脂肪は、たまりすぎると脂肪細胞が炎症を起こし、アディポネクチン(善玉ホルモン)の分泌を減らし、血栓による心筋梗塞や脳梗塞、脳血管性認知症やがん細胞の増殖につながります。

 また、皮下脂肪や内臓脂肪が増えすぎると、本来はたまらない場所に蓄積される異所性細胞が肝臓や筋肉・膵臓などに蓄積し、脂肪肝から肝硬変に進行したり、脂肪膵は血糖値を下げるホルモンの分泌を悪くし糖尿病の発症につながります。

 炭水化物や脂っこいものを控えることは大切ですが、全く摂らない減量は筋肉の減少にもつながるため、バランスの良い食事が基本です。脂肪の燃焼には30分程度のウォーキング等の有酸素運動が効果的です。日頃から運動不足の方は、急に運動を始めると膝を痛める原因になるため、エレベーターやエスカレーターはではなく階段を使ったり、車ではなく徒歩で移動する等、運動する意識を持つことから始めましょう。3~6か月で3%の減少を目指し、ゆっくり減量することが大切です。合併症がある場合は減量法も異なるため、早めにかかりつけ医や専門医に相談しましょう。

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