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大人の喘息(2023年9月)

 気管支喘息は、空気の通り道である気道(気管支)に炎症がおきている状態です。ちょっとした刺激でも、気管支周辺の筋肉が縮んだり、気道の粘膜がむくんだりすることで気道が狭くなり、ゼーゼーやヒューヒューといった喘鳴が起きたり、呼吸困難などの発作が生じる病気です。日本では患者数が増えており、約400万人以上が気管支喘息と診断されています。このうち、小児喘息の多くは思春期の頃には症状がよくなっていきますが、約30%は成人喘息に移行するといわれています。大人になってから初めて症状が現れる成人喘息は40~60歳代に多く、成人喘息の半数以上を占めています。

 アトピー性素因などの遺伝的要素の他、ハウスダストやダニなどのアレルギー、ほこりやたばこなどによる気道の刺激、ストレスなどが原因となり発症するため、誰にでも起こりうる病気です。

 治療は、発作が起きた時の薬や日頃から長期に使う薬など、症状や体調によって異なるため、かかりつけ医や呼吸器専門医にご相談してください。予防及び治療に際して重要なのは、発作を誘発する物質や状況を少なくすること、薬を医師の指示通り適切に使うこと、重い発作が起きた時は速やかに受診することの3点です。

 疲労がたまると風邪をひきやすくなったり、アレルゲンに対してより敏感になるため、質のよい睡眠をとることは大切です。ウォーキングやサイクリングなどの有酸素運動は、心肺機能が高まり基礎体力の向上につながります。天気や気圧などの影響も受けやすいため、気温の変化に合わせて服装を調節したり、室内の保温に注意しましょう。たばこの煙は気道の刺激になるだけでなく、喘息のもとである炎症を悪化させます。また、喘息の治療薬である吸入ステロイド薬の効きも悪くなりますので、禁煙は基本です。

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