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下肢静脈瘤の予防法(2022年9月)

 血管には動脈と静脈があります。動脈は心臓から全身に血液を送り出していて、心臓に血液を戻す役割が静脈です。足の血液は重力に逆らって下から上に流れるため、逆流防止弁がついていますが、その弁が壊れてしまい血液が逆流しうっ滞することによって、静脈の拡張や瘤化した状態が、下肢静脈瘤です。

 下肢静脈瘤の患者数は約1,000万人で、年齢と共に増加しています。良性の病気で命にかかわるものではありませんが、足のだるさやむくみなどにより生活の質を低下させたり、まれに湿疹や潰瘍ができて重症になることがあります。ふくらはぎのだるさ・こむら返り・足のむくみや不快感(むずむず感)・血管が浮き出て見える等の症状がでた場合は、早めに血管外科や形成外科の受診を

お勧めします。太ももの外側や膝のうつ側・くるぶしによく見られるくもの巣状・網目状静脈瘤は、通常症状もなく重症化しないため基本的には治療の対象となりません。足のつけ根の静脈弁が壊れることで膝の内側に静脈瘤が出来たり、膝の後ろ側の静脈弁が壊れてふくらはぎの静脈瘤が出来るタイプは、外科的治療が必要になることがあります。

 長時間の立ち仕事や座りっぱなしの姿勢は避け、血流やリンパの流れを良くするためにストレッチやウォーキングなどの運動を習慣化しましょう。血行が悪くなる締め付けすぎるガードルなどの下着の着用は避け、弾性ストッキングを履き圧迫することで逆流の減少や血行をキープさせる効果があります。就寝時は足を高くして寝たり、1日1.5リットル以上のこまめな水分補給も大切です。バランスの良い食事は基本ですが、食物繊維は静脈圧を低下させる効果があります。キャベツや白菜などの緑黄色野菜・海藻・きのこ類・みかんやバナナなどの果物を意識して摂りましょう。

 

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